無音にひび割れて冬
較べても治らない
消毒液でも救われる
ここにいないだけの心音
ひとつだけ飾る代名詞
風のない日に同期した
笑われた好きの収斂
美しいまなざしの弾劾
眠らない昼なかの硝子窓
エマージェンシーは現実をなくした瞬間に
洗練された身体
静謐で綴じた白い本
名前をなくさないでいてほしい
しみひとつない惑星の隅
耐えかねたまま
目を閉じたまま
土星に降らないままの雨
冷ややかな人生と温かい顔
一月十日の都市構想
彼を治す人
彼から去って行く人
針は銀の動機
シーズンオフの海岸と白けきった唐松
入院着が怖いほど似合う彼女
みえない都市
みえる家

白い跫